ゆるふわと行く世界遺産　エフィソス遺跡　〜古代都市の魅力と歴史を訪ねて〜

「エフェソスは、トルコ西部のエーゲ海沿岸に位置する古代都市で、紀元前11世紀頃にイオニア人によって建設されました。貿易の中心地として、また後にローマのアジア州の州都として栄えましたよ。」

「はい、その通り。彼らの恋物語も、この地で繰り広げられたと言われています。」

「セルシウス図書館の遺構は、その美しさが特に注目されています。知識を象徴する像や精緻な装飾が施された柱、梁など、完成当時は非常に壮麗であったと言われています。また、かつては1万冊を超える蔵書を持つ図書館として、アレキサンドリアやペルガモンと並ぶ存在でした。」

「エフェソスのアルテミスは、古代ギリシャの女神で、紀元前7000年頃に誕生しました。彼女は豊穣や母性を象徴する女神として、長い間人々に崇拝されました。エフェソスには彼女を祀るアルテミス神殿が建てられ、その神殿は非常に重要な文化財とされています。」

「エフェソスはキリスト教の伝道地としても知られています。使徒パウロや聖ヨハネがこの地を訪れ、聖母マリアが余生を過ごしたとされる場所もあります。新約聖書には「エフェソの信徒への手紙」という一書が存在しており、キリスト教の歴史とも深く結びついています。」

「実は、エフェソスの設立に関しては、まだすべてが明らかになっていない部分もあります。古代の学者ストラボンとパウサニアスによれば、エフェソスの設立者はアマゾネスで、カリア族とレレグ族が主な民族であったとされています。しかし、発掘や考古学的発見物に基づく情報も多く、研究が進められている最中です。」

「54年の初夏に、聖パウロが「人の手によって作り出された神は、もはや神ではない」と説いたことから、銀細工師ディミトリウスに扇動されたエフェソスの人々が大劇場に集まり、「エフェソスのアルテミス万歳、偉大なアルテミス万歳」と叫びました。この大きな騒動は、エフェソスの歴史上の重要な出来事として記録されています。」

「アルテミスは、7,000年にわたってエフェソスの人々に崇拝されてきましたが、キリスト教の影響や都市の変遷に伴い、その崇拝が次第に衰えていきました。聖パウロの出来事も、アルテミス信仰の終焉を象徴する出来事の一つとされています。」