ビットコインの歴史をたどる旅　神秘の人物、サトシ・ナカモトとそのメッセージ　

実際には、サトシ・ナカモトがどんな人物であるかは、誰も知りません。彼は突然ビットコインを世界に紹介し、その後すぐに消えました。名前は日本人のようですが、その真偽は不明です。

彼が私たちに残したものはビットコインのネットワーク、ホワイトペーパー、そして2008年から2010年までの約2年間に公開した文章です。それらの文章は現在、私たちがビットコインの起源と理解する上での重要な情報源となっています。

それらの文章は、ビットコインの発行者である小宮自由氏によって解説され、フィル・シャンパーニュの絶版書籍『ビットコイン バイブル：サトシナカモトとは何者か？』にまとめられています。この連載では、それらの文章を日本語に翻訳し、時系列で公開していきます。

この投稿は、ビットコインの歴史の始まりともいえる重要な一文です。彼が新たに開発したと述べる「ピア・ツー・ピア型の電子キャッシュシステム」は、今私たちがビットコインと呼ぶものです。このシステムの主な特徴として、二重支払いの防止、第三者への信用不要、匿名参加可能、新たなコインの生成等が挙げられています。

ビットコインのシステムでは、取引の信頼性を保証するために「ハッシュ化」という手法を用いています。それは取引を特定の形に変換し、それを「ブロック」と呼ばれる一連のデータに繋げていくことで、改ざんを防ぐ仕組みです。これが「ブロックチェーン」の原理となります。

このシステムでは、新たなコインは「プルーフ・オブ・ワーク」によって生成されます。これは特定の計算問題を解くことで新たなブロックを生成し、その報酬として新たなコインが得られる仕組みです。また、二重支払いの防止のためにもこの「プルーフ・オブ・ワーク」が利用されます。